6.あとがき
6.1 解説
ねじり振動の計測は4サイクルの中小型機関にあっては、機関製造場が造船所において主機関据付後、海上公試運転時に実施することが多く、計測に必要な費用は相当な額に達している。今回、ねじり振動計算について、機関製造場各社から計算と実測の詳細なデータを提供していただき検討した結果、機関製造場各社の努力によって、その計算精度は充分に実績のある機関について計測の必要がない穫高くなっていることがわかった。
本委員会では、解析資料の収集と分析法の検討に当り、
イ 2サイクル機関を対象にすべきかどうかまた
ロ 4サイクル機関でも6シリンダ以外の多シリンダ機関を含めるのか、このほか本委員会で区分した1200rp?以上の高速機関を含めるのか
等の審議を数回行ったが、委員会意見では、
?イ及びロに該当する解析資料を20点以上収集するには、調査時間を若干必要とし、全体の検討時間に支障を期すと予想される。
?本調査研究の成果は、早くまとめ、首記した費用の削減策にも反映するため、実効が一番多く期待される機関範囲としたい
との結論に達し、分析は4サイクル6シリンダ機関を中心に行った。
本事業のまとめは、「事業目的」にも明示したように、ねじり振動計算書から計測値を推定する場合の技術資料を作成したのであって、当然ながら、個々の主機関製造場各社が採用している計算式及び計測法、計測結果の妥当性を評価することを意図した訳でもないので、お断りしておく。
なお、計測の推定に関する基準の作成にあたり、共振回転数とピーク応力値の推定基準は、母平均を95%信頼区間の最大値を採用するなど、安全側になるような推定を行った。
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